« 2010年6月27日 - 2010年7月3日 | トップページ | 2010年7月11日 - 2010年7月17日 »

2010年7月4日 - 2010年7月10日

2010/07/07

【0137】資料あれこれ(3)

========================
記事:戦前・戦後の堺のまちづくり
筆者:芝村篤樹
掲載:フォーラム堺 第十集(2004年03月刊)
発行:堺都市政策研究所
価格:1048円+税
========================
財団法人堺都市政策研究所様サイト>フォーラム堺
http://www.sakaiupi.or.jp/book10.html

ユニークな切り口で地元文化を紹介されているフォーラム堺、ほぼ毎号購入していますが、何年経っても心に残っているのがこの記事です。特に印象的だったのは、ラストの一文。

「現在、堺市ではさまざまな形の試みが行なわれています。中略)しかしおそらく、まだ高度経済成長時代に受けた傷を充分癒しきれていないというのが現状です。そこからいかに脱却するか、これは結局のところ、今の日本全体の閉塞した状況を脱却するのと同じことがいえると思います。」

「」内、上掲図書から引用)

富山をはじめ、コンパクトシティという言葉が脚光を浴びている昨今ですが、それを高品位に実現していたのが往時の堺市だったのだろうと思います。戦後は一貫して成長拡大を図ってきた結果、よくある町のラージサイズになってしまった的な印象は、常に付きまとっている気がします。発展は発展で悪くない話なのだろうと思いますし、その中で私自身も育って来た訳ですけれど、元々に存在したものが価値があっただけに惜しいというか、サッカーで言えば高得点を狙いすぎて、自陣ゴールを放り出してしまっていたみたいな残念さを拭いきれない思いがあります。

先の市長会見では、「中心市街地の衰退が、阪堺にとってダメージになった」というご発言がありました(2010年6月30日会見 32分10秒頃)

これは電車そのものというより、その沿線、街のアイデンティティ的なものへのダメージを指すものかと私は解釈していますが、それを現職の市長さんの言葉として聞けた事は、少し救われたような気もします。

芝村先生の稿は数年前のものですが「閉塞した状況」は今も続いているようです。堺においては阪堺線が「高度経済成長時代に受けた傷」を癒すキッカケになればいいのですが。というか、これが失敗した場合、堺の傷が治癒不能に陥りはしないかとの懸念も感じたりしているのですが。

フォーラム堺は天牛書店などでも在庫しているのを見かけます。ご興味のある方は、どうかご一読ください。
資料紹介は、また追っていろいろと。気長にお待ちください(^^;。

※コメントをいただける場合はカテゴリー「コメントの前に(必読) 」をご覧下さい。

| | コメント (0)

【0136】資料あれこれ(2)

「運輸と経済」誌では、示唆に富んだ論文が多数掲載されています。2009年の記事から、堺市、阪堺電車に関して参考になりそうな記事をピックアップしてみます。ここでは特集名で挙げてみましたが、ご紹介した論文以外にも有益な記事が豊富です。

共通:「運輸と経済」運輸調査局発行(筆者名 敬称略)
財団法人運輸調査局様サイト>刊行物 運輸と経済
http://www.itej.or.jp/book.html

●2009年10月号 特集「公共交通政策の新機軸」
========================
記事:鉄道整備の世界的潮流と低炭素型都市政策
筆者:中川大

記事:海外におけるLRT普及の背景と新たな展開
筆者:宇都宮浄人

記事:持続可能な都市を実現する公共交通政策の課題
筆者:中村文彦

記事:第三セクター都市鉄道事業の経営課題と上下分離
筆者:関口吉男 寺田一薫

記事:フランスにおける公共交通の運営形態と課題
筆者:青木亮 湧口清隆
========================

●2009年12月号 特集「地域交通における合意形成と住民参画」
========================
記事:地方鉄道における合意形成と住民参画:和歌山電鉄貴志川線の事例
筆者:辻本勝久

記事:地域交通政策の意思決定における住民参画の意義と課題
筆者:太田和博

記事:地方鉄道における「住民参画」と合意形成への課題
筆者:須田昌弥
========================

●2009年09月号 特集「高齢社会における地域公共交通の新展開」
========================
記事:高齢社会と地域公共交通計画
筆者:喜多秀行

記事:高齢者の運転適性とニュー・モビリティシステム導入の必要性
筆者:所正文
========================

●2009年06月号 特集「NPOと観光」
========================
記事:官民協働(PPP)による文化遺産観光のマネジメント
筆者:西山 徳明

記事:集客交流サービスによる地域の活性化に向けて
筆者:大社 充

記事:観光におけるNPOとのコラボレーション
筆者:敷田麻実
========================

タイトルからも堺市へのヒントがありそう・・と思って下さる先生方による活発な8月議会を期待したいものですね(^^)。

※コメントをいただける場合はカテゴリー「コメントの前に(必読) 」をご覧下さい。

| | コメント (0)

【0135】資料あれこれ(1)

阪堺線の活性化に関して、資料のお問合せを相次いで頂戴しています。
さしあたっては当ブログのログをご覧いただければ、と手前味噌していますが(^^;、この機会に思いつくまま、いくつか列挙してみようと思います。

阪堺線の情勢は時間による変動が大きいのですが、比較的直近に発表されたものとして、下記の論文があります。

========================
記事:路面電車とまちづくり ~阪堺線の社会的価値を踏まえた新たな魅力の創造~
筆者:伊藤雅先生
掲載:Urban Vol.22(2010年03月)
発行:堺都市政策研究所
http://www.sakaiupi.or.jp/09urban/vol22/22-8.pdf
========================
貴志川線存続活動における大活躍でご高名な伊藤先生。公共交通問題を考える多くの街を行脚されており、堺市でもお馴染みの方も多い事でしょう。貴志川線にあやかりたい思いもあって、私もご指導を仰いでおりますが、物静かな風貌から発せられる正鵠を射たご見解に、お会いするたび感嘆させられています。
今回の論文では、その貴志川線と、富山ライトレールの状況を踏まえつつ、今春時点における阪堺線の様子を、データを基にして分析、新たな価値創造に向けての提言で締めくくっておられます。簡潔で一般にも判りやすい内容と思いますので、是非ご覧いただきたく思います。

財団法人堺都市政策研究所様サイト>機関紙 Urban
http://www.sakaiupi.or.jp/index.html

========================
記事:正便益不採算問題への対応―採算神話が阻んできた公共交通の改善
筆者:中川大先生
掲載:運輸と経済 2005年05月号
発行:運輸調査局
========================
【0130】で記しました【正便益不採算】については、多くの方が関心を持たれているようです。検索でも様々な資料がヒットすると思いますが、この記事は上述の伊藤先生の記事でも参考文献として挙げられているものです。実質2ページの分量に、正便益不採算の要点が言い尽くされていると感じます。

財団法人運輸調査局様サイト>刊行物 運輸と経済
http://www.itej.or.jp/book.html

※コメントをいただける場合はカテゴリー「コメントの前に(必読) 」をご覧下さい。

| | コメント (0)

2010/07/06

【0134】天王寺駅前-浜寺駅前 直通復活1周年(3)

この天-浜復活1周年を記念して、3日の土曜日、趣味の集まりで貸切運転を実施しました。使用車両は161形トップナンバー。先月に重検実施されたばかりで、台車も部分塗装されています。

Hm
2010年7月 浜寺駅前
(画像の無断転載はお断りします)

Nai
2010年7月 石津-東湊
(画像の無断転載はお断りします)

快走する82歳。先輩ファンの方から、検査上がりの車なのでベアリングの音が良く聞こえると教えていただきました。南海軌道線時代からの伝統。定評ある技術力は今に至るまで受け継がれているようです。

Yamaken
2010年7月 車両区
(画像の無断転載はお断りします)

今回は地元ファンの他、関東や東海からの方も含め約20名が参加、趣味団体メンバーばかりでなく、いろんな立場で阪堺電車に関心をお持ちの方にお越しいただきました。当ブログを通じての御縁で参加下さった方もいらっしゃいました。天-浜、161形と話題は豊富でしたが、やはり最大の関心は堺市の支援策案についてでした。市の英断を讃える声があちこちで聞かれました。まだまだいろんな事があるでしょう、とお答えしておりますが、少し以前の辛い状況を考えると救われる思いです。まぁ今後の展開次第でまた、というのも現実なのですけど。

C161
2010年7月 車両区
(画像の無断転載はお断りします)

当日は朝から豪雨という感じで案じられたのですが、回送出庫(14:30頃)から雨が止み、車庫の休憩終了まで天候が保ってくれました。参加者の念の力でしょうか(^^;。帰路の乗車中には再び降りだしてきました。降雨時、下降窓を全開した上での鎧戸使用は久しぶりで、これはこれで貴重な経験になった事と思います。

当日ご参加の皆様、ご協力いただきました皆様、また悪天候にもご高配下さいました阪堺電気軌道の皆様、どうもありがとうございました。今後もいろいろと企画していきたいと思いますので、引続きましてご厚誼賜ります様、お願い申し上げる次第です。

※コメントをいただける場合はカテゴリー「コメントの前に(必読) 」をご覧下さい。

| | コメント (0)

【0133】天王寺駅前-浜寺駅前 直通復活1周年(2)

天-浜復活というと、忘れられない写真が一枚あります。

163a
2008年8月 神明町
(画像の無断転載はお断りします)

【0107】で触れた記念乗車券用写真の撮影時に撮ったものです。何種類かの系統板を掲出し、私もM.H様のバックアップで撮影を行なったのですが、その内の1カットが上記画像でした。

163b_2
拡大するとこうなります。

もともとの系統板は昭和30年代の「天王寺駅前-浜寺駅前」臨時増発用のもので、M.H様の所蔵品でした。○の中には特殊な書体で【臨】の文字が入っています。この撮影行に先立って、M.H様から、ココに当てはまるように【祝】の文字を入れて欲しい、と依頼があり、イメージを揃えたシールを作って用意したものです。

この時点(2008年夏)では、特に天-浜復活の話は聞かれていませんでした。なので「そんな計画ありますの?」と訝る私にM.Hさんは、「実現したら、写真使えるやん」と。
年に一度の撮影だし、ストックしておく意味もあるのだろうと、その時の私は軽く考えていたのですが、今思うと、ご当人の心中には期するものがあったのでしょう。

少し無造作に撮ってしまったかも知れません。いまごろ悔いても遅いのですが。

これから一年の後、天-浜復活が実現する事になります。記念の意味で定期の区間を「天-浜」で購入しました。直通復活を待ち望んでいたM.Hさん。乗車券のコレクションにも熱心でしたので、お元気ならば、たぶん一緒に購入されていたものと思います。

Teiki
(画像の無断転載はお断りします)

※コメントをいただける場合はカテゴリー「コメントの前に(必読) 」をご覧下さい。

| | コメント (0)

【0132】天王寺駅前-浜寺駅前 直通復活1周年(1)

7月4日、天王寺駅前-浜寺駅前の直通運転復活から1周年を迎えました。
この天-浜直通系統は1955年、住吉交差点の改良工事完工直後の7月16日改正から実施され、1973年4月改正で休止されるまで、好評を博していたものです。

C201
1957年頃 東天下茶屋-北畠 印画所蔵:K生
(画像の無断転載はお断りします)

様々な試行錯誤の末、待望の復活を見たのが昨2009年7月改正でした。阪堺分離後、何度も復活が企図されつつ断念せざるを得なかった計画の実現に、多くの阪堺電車ファンが歓呼の声を上げたものです。知人のN先輩は始発から浜寺に駆けつけた由。私も勤務終了を待ちかねて電停にダッシュしたものでした。

Ayanocho
2009年7月 綾ノ町
(画像の無断転載はお断りします)

この改正は会社トップのリーダーシップのもと、路線活性化への労使協調によって実現したものと伺っています。実際に浜寺駅前で眺めていますと、折返し時間は最大5分程度しかないようです。下り大道筋の信号状況によっては運転士さんも大変な事と拝察しますが、どの電車も手早くエンド交換し、再び天王寺に向かって走っていく姿を頼もしく見つめています。

C505
2010年2月 浜寺駅前(海道畑)
(画像の無断転載はお断りします)

この1年間、いろんな事がありました。ありすぎた感さえありますが(^^;。阪堺線に関しては、見た限りの乗客は多少なりとも増えているとの感触を受けています。天-浜復活の定着も有効に作用しているものと思います。次の1年、また次の1年と、元気になっていくチン電の姿を見つめる記念日になればいいなと願っています。

※1枚目の201形の写真は、先年古書店にて入手したものです。ご撮影者様等の詳細をご存知の方は、是非ご教示をお願いいたします。往時の南海軌道線について、いろいろと教えていただけましたら・・・と願っております。

※コメントをいただける場合はカテゴリー「コメントの前に(必読) 」をご覧下さい。

| | コメント (0)

« 2010年6月27日 - 2010年7月3日 | トップページ | 2010年7月11日 - 2010年7月17日 »