« 2010年5月16日 - 2010年5月22日 | トップページ | 2010年5月30日 - 2010年6月5日 »

2010年5月23日 - 2010年5月29日

2010/05/27

【0096】第10回サミット宣言文 全文 ~路面電車サミット富山大会(5)~

「第10回 全国路面電車サミット 富山大会」サミット宣言文の全文です

============================

サ ミ ッ ト 宣 言

大都市圏では新たな鉄道路線が伸びているのに対して、地方圏ではひっそりと鉄軌道が消えています。公共交通機関であるはずの、環境にやさしいこれからの移動手段であるはずの鉄軌道が、採算性という物差しにより存廃が決められています。
そのような状況下にあって、新たに2路線の路面電車を新設した富山市において、記念すべき第10回の全国路面電車サミットが開催され、路面電車とまちづくりについての議論が交わされた意義は大変大きいものと考えます。
JR富山港線を再生して誕生した富山ライトレールの整備を契機に、国において新たな鉄軌道支援策が創設されるなど、少しずつではありますが、路面電車復権に向けての整備が進んでいます。
しかしながら、全国各地で既に廃止された路面電車を再生しよう、新たに路線を設置しようという多くの都市があり、それぞれの都市で夢を描きながらまちづくりを行っているグループや団体があり、それらを実現したいと応援してくれる鉄軌道事業者がいるものの、夢が叶っていないというのも現実です。
私たち、路面電車をまちづくりに活かす活動をしている者の力だけでは、残念ながら路面電車を現実のものとするのは困難です。
国においては、地域主権、地方の独自性を活かした施策展開が進められるよう制度改正をすることが検討されています。交通基本法の制定に向けた努力も続けられています。
高齢社会の到来、そして個人の幸福の尺度に「よりよい環境で暮らすこと」が加えられようとしている今、私たちは、もっともっと路面電車が魅力的であり、人、まち、そして環境へやさしいことを多くの人たちに伝えていかなければいけないと考え、引き続き活動していくことを宣言します。
また、国、地方自治体におかれては、私たちの活動を温かく見守っていただくとともに、私たちの活動の中から積み上げられた路面電車活性化に向けた提案に対し、新たな制度設計を含む施策対応を図っていただくことをお願いします。
最後になりましたが、堺市の阪堺電車が存廃の危機にたたされています。我々は阪堺電車の存続と活用を求めることを参加団体の全会一致で決議をしました。
関係者のみなさま、ぜひご尽力賜りますようよろしくお願いします。

次回は、2012年にお会いしましょう。

2010年5月22日

全国路面電車愛好支援団体協議会
全国路面軌道連絡協議会
全国路面電車サミット2010富山大会実行委員会

============================

0001_3

| | コメント (0)

【0095】「阪堺電車の存続と活用を」サミット宣言文にて緊急決議! ~路面電車サミット富山大会(4)~

さて、阪堺線ワーキングの話題です。

Sr001_2 

初日の受付で「阪堺線・・・」と切り出した時点から、温かい励ましの言葉をいただきました。活動報告のパネルを掲示していると、多くの方が声を掛けて下さいました。
堺市のプロジェクトと以後の動向は、相当な注目を集めていたようですが、阪堺線が直面している状況については、詳細をご存じでなかった人が多かった様です。6月、9月という数字を聞いて、仰天されている方も多数お出ででした。ですが状況をお伝えしますと、危機感の中にも前向きなご意見が多かった様にも感じます。「その状況だったら、まだ何とかなるのではないか」「諦めなければいけない状況ではない」そんな声をたくさん頂戴しています。サミットご参加の方の多くは、各地で路面電車の廃止を目の当たりにし、また幾つものLRT構想の頓挫を経験されている訳で、そういう先輩方の目から見て、阪堺電車とその沿線には脈があると映っているのであれば、これは心強く受け止めたいと思います。

Sr002

堺の阪堺電車は、国内公共交通崩壊の防波堤であると共に、今後の再生への前線基地となる可能性もある。

これは以前からの私の持論でした。でもやっぱり贔屓目すぎるかなとも思っていたのですが、今回は同じ意見を(相手から)言ってきて下さる方が多くて、安堵と共に勇気をいただいた思いです。「国内」の部分は「堺」に、「公共交通」は「まちづくり」とか「市民生活」に置換できる部分もあるのかな、と思っています。

Sr003

2日目朝には、路面電車愛好支援団体協議会代表者会議が開催され、「阪堺線存続検討ワーキング」も、この協議会に加入させていただく事ができました。発足間もないWGに、ご理解いただきました事に感謝申し上げます。

意見交換会におきまして、参加者の中から阪堺線存廃問題について、何らかの声明を出してはどうかとの動議を出して下さった方がいらっしゃいました。北海道からお越しの方のご意見でした。会場内には大きな拍手が広がり、事務局の方々が了承され、急遽文案の検討を開始して下さいました。
全く予想外の展開で驚きましたが、とにかく感謝の気持ちで一杯・・・と共に、改めて事の重大さを痛感する事にもなりました。なにしろ北海道の方のご提案ですし、会場内にはオブザーバーを含め全国からお見えの多数の団体の方々が居るという、もう堺とか大阪だけの問題と違うんだなと思い知った次第です。

午後に入りサミットの終盤、サミット宣言文が発表されました。ここでもう一度驚かされる事になります。

Sr004   

堺市の阪堺電車が存廃の危機にたたされています。我々は阪堺電車の存続と活用を求めることを参加団体の全会一致で決議をしました。関係者のみなさま、ぜひご尽力賜りますようよろしくお願いします。

阪堺線に関する文言は、宣言文本体に直接加筆していただいていました。この種の行事では、文案は事前にほぼ固まっているのが通例だと思います。午前に出して下さった動議が承認された際も、阪堺線関係は別建てで提示していただけるのかと想像していたのですが、宣言文そのものに盛り込んで下さるとは全く想像していませんでした。サミット常連の先輩にお聞きしても、滅多にない出来事だと話されていました。場内は拍手に包まれていたかと思いますが、私はモニターを凝視していたので、この時の音の記憶が全くありません。

Sr005

夕刻から懇親会が始まり、ここでも多くの方々から激励のお言葉をいただきました。団体毎に紹介と挨拶があり、私達ワーキングの順番が回ってきました。舞台の前には、たくさんの方が駆け寄って下さり、声援を送って下さいました。ご高名な都市交通研究家のH様、長く公共交通活性化に取り組んでおられるO様はじめ、眼前に並んだ笑顔は、忘れる事ができないでしょう。
ご挨拶は即興でしたので、詳細な内容の記憶は定かでありませんが、サミット宣言文の御礼と、これを地元に持って帰り、大切に活用させていただきます、等と申し上げた様に思います。

サミットの2日間、充実した時を過させていただきました。実に数多くの方々より、応援とご助言を頂戴いたしました。たくさんの勇気と元気を貰ってきました。とにかくまずは6月、次いで9月、できるならばその先までも、目一杯の事をしておきたいと考えています。

関係者の方々、ご参加の皆様には厚く御礼申し上げると共に、引き続いてのご指導とお力添えをお願い申し上げる次第です。本当にありがとうございました。

なおサミット宣言文につきましては、ワーキング、周囲の方々を交え、その活用方法を検討させていただきます。なにぶん私共、この種の活動は不慣れですので、読者の方からアドバイスをいただけましたら幸いです。こちらも何卒よろしくお願いいたします。

| | コメント (2)

【0094】2日目行事と会場の様子 ~路面電車サミット富山大会(3)~

2日目の午後、まずはクイズ大会、抽選会、映像上映等が実施されました。私はグッズ対応もあって詳しくは見れていないのですが、ご家族連れを中心に、地元の方々に楽しんでもらえる行事が行われていたようです。
フォーラム「路面電車の仲間を増やす仕掛け」では、同志社大学青木教授の問題提起を受け、同教授をコーディネーターとして討論が行われました。パネリストは、昨日に続いて鉄道フォトライター矢野様、ひたちなか海浜鉄道社長の吉田様、地元(ライトレール沿線)酒造店社長の桝田様、ふるさと銀河線応援団としても活躍されているオフィス・タウンクリエイトの成田様、富山県で、自主的なグループとして交通政策の研究に参画されている五十島様という構成でした。

W008

青木先生のご活躍は、鉄道研究誌等でもご存じの方も多い事と思います。硬軟おりまぜた切り口から、パネリストの方々の様々なご意見を引き出されていたのが印象的です。討論を通じて感じたのは、「普通の感覚」の大切さ、でしょうか。公共交通を必要とする人、公共交通が持続可能なレベルの街で暮らしていたいという人、そんな思いを待つ普通の方々との接点を増やす事が、いま求められている気がします。
矢野様のご意見にあった「今の若い世代にとって、路面電車は決して受け入れ難い存在ではないはず」という意味の言葉は、特に心に残りました。高い意識と感性を持つ世代に対し、路面電車が訴求できるポイントは確実に存在すると思いますし、本質を柔軟に見極める能力は、若い子の方が高い気もします。むしろワタシら前後の世代が一番難しいのかも知れません(^^;。

会場内外で見られたサミット関連の模様をご紹介します。

W001_2 
いきなり歓迎掲示
2010年5月 JR富山駅

W002  
会場の国際会議場

W003
ロビーにも関連掲示

W004
絵画展示「路面電車のある街 富山」

W005 
既に駅前直通のイメージ KATO社の模型展示です

W007
併催イベント「富山芸術環状線」アートを主題にスタンプラリー等も実施

W006_2 
地元「富山レールクラブ」の方々によって開催された笹津線、射水線の展示。
写真、部品、資料、模型、絵画など様々な展開で両線の足跡を偲んでおられました。早すぎたLRTとも称される路線が有していた価値を再認識すると共に、電車を失った地元の方の切々たる心情にも触れさせていただく事ができました。お話させていただいた会員の方は阿倍野区にご在住の経験があるそうで、阪堺線の事を大層気に掛けておられました。

| | コメント (2)

【0093】トラム先進地域の電車を見る ~路面電車サミット富山大会(2)~

2日目の午前は「全国路面電車愛好支援団体会議」がありました。これは後述するとして、富山の電車の様子を簡単に。

S001
会場3階から どんどんランドマークが増えて行くのは羨ましい限りです

2010年5月 国際会議場前

S002
画面左上がコミュニティサイクル
2010年5月 国際会議場前

S003
夜はこんな感じになります
2010年5月 国際会議場前

S004
この日の黒色編成は48周くらい環状線を回っていた模様 市内線を走行して入庫です
2010年5月 南富山駅前

S005
市内線の新車 サントラム
2010年5月 電気ビル前

S006
在来車も完全にICカード化 コミュニティサイクルにも拡張可能です

2010年5月 7022号

S007

地元商店利用者に対する帰路の乗車券サービスの例
2010年5月 7022号

S008
市内線在来車の補助ステップの例

2010年5月 7022号

S009

ポートラムでは電車にサミット記念装飾を実施

2010年5月 0601号

S010
トラムを擁する都市名も掲出されています SAKAIはOSAKAと一括されているので記載はありませんが 今後の展開次第では登場のチャンスもありそうです
2010年5月 0601号

| | コメント (0)

【0092】1日目行事の模様 ~路面電車サミット富山大会(1)~

既報の通り5月21、22の両日「第10回 全国路面電車サミット 富山大会」が開催されました。

開会宣言は、大会実行委員長を務められた「公共交通とやま市民応援団」の奥田様から。サミット開催には並々ならぬ苦労があった事と思いますが、朝の受付から終了まで、親身にご対応下さいました。

開催県知事と市長のご挨拶では、ともに代理の方が登壇されました。首長さんではなく公務員のお立場にあられる方ですが、それぞれのポジションから、ライトレール先進地帯となった地元に対して、誇りと自信をもっておられる様子が感じられました。富山市副市長さんの「車社会である富山で実現できた施策なのだから、他の街でできないはずがない」という意のご発言は、特に印象に残っています。

「LRTとまちづくりについての講演」に入り、国土交通省の鉄道局財務課地域鉄道支援室長の上住様から「地域鉄道・軌道を取り巻く状況と活性化への取組について」のご講演がありました。前半では路面電車近代化支援の取り組みに関し、実施実績を交えてのご紹介があり、後半では路面電車のカテゴリーを越えて、地域交通が直面している切実な状況についてのご説明と、国の支援システムに関する紹介がありました。やはり上下分離がキーワードの一つのようです。

Kk001

Kk002

続いての講演は、富山市長の森様です。全国でご講演をされている森市長だけに、話しぶりにはオーラさえ感じるものがありました。公共交通3日間無料化実験(西町電停の利用が11倍!)、ご高齢者のためのおでかけパス(通院時、市街地来訪時の運賃100円)、コミュニティサイクル導入(電車用ICカードにも対応の貸自転車)等々、矢継ぎ早に導入、実績を残している施策の数々は羨ましい限りです。これらのプロジェクトは、堺でも導入は可能だと思いますし、更にもっと上を狙えるプランも、と思ったものですが。

M000

M001

右下には、セントラム3兄弟の模型

M002

M003
ライトレールと環状線での上下分離方式の違いは、時代の進化を示すものだと感じます。

次の講演は、国土交通省都市・地域整備局街路交通施設課の松井様による「まちづくりと一体となったLRT等の公共交通の推進施策について」。都市、地域における総合交通戦略への取り組みが紹介されました。前半は鉄軌道に限らず、先進的なプロジェクトを進めている街の事例(北九州、金沢、盛岡、近江八幡など)が紹介されました。この辺は私も不勉強ですので、追々調べてみたいと思います。続く全国LRT計画の動向という項目で、堺市の事例が登場。周囲からは溜息も聞かれ・・・・(^^;;。
詳細はこの後で記しますが、阪堺線の行方に大きな関心を持っている人が、本当にたくさんいらっしゃる事が実感できた事をお伝えしておきます。ちなみに「都市・地域総合交通戦略策定状況」一覧の表では、策定済の都市が35、策定中とされている都市が25あり、堺市は後者にカウントされていました(2010,4現在)。戦略はまだ進行形のようですし、まだまだ挽回の余地はあります。

R001

R002
続いては鉄道フォトライター矢野様の「路面電車の走る町=車輪の音色に包まれる旅」。一転してソフトな内容ですが、しっかりと鉄道を見つめておられる方だけに、ほのぼのしつつも説得力のある内容でした。鉄道関係で活躍される女性も増えてきていますが、矢野さんは別格なんだろうと思います。私の周囲でも、「○○で矢野直美さんを見た」という声はしばしば聞かれており(^^;、地道に取材を続けておられる事が感じられます。JTB時刻表でお馴染みの「ダイヤに輝く鉄おとめ」を見ると、その意を強くします。懇親会では少しだけご挨拶をさせていただく機会を得、いい思い出ができましたが、記念写真を忘れたのは痛恨事です(^^;。

| | コメント (0)

« 2010年5月16日 - 2010年5月22日 | トップページ | 2010年5月30日 - 2010年6月5日 »