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2010/12/31

【0303】第2回沿線活性化フォーラム(2)感想と今後(私見)

後半フォーラムで見聞しましたお話、また質疑で出ました話題等に併せまして、当日に感じました事を綴ってみたいと思います(これはあくまでも私見です)。ラップしつつ大きく分けて4つ位になるのかなと思います。

①マネジメント
フォーラムでは多くのパネラーの方に、ご自身が取り組まれている地域の活動の状況についてのお話を聞かせていただきました。安立町や帝塚山の取り組み(山下様、下道様)、大道筋や浜寺の街づくり(平山様、古川様、堀田様、竹本様)、また住吉公園と浜寺公園の連携(福田様)など、多くの夢のある活動をご紹介いただいています。夢だけでなく相当な実績を有する活動も数多くあり、参加者から感嘆の声も挙がりました。
ただ、それぞれの活動の多くが、知る人ぞ知る、的な存在であるようにも感じられます。内容の大きさから考えて、これは過小評価だなと思える事例もあります。前回フォーラムの後で、特に堺に対しては「騒がない街」という表現を思い浮かべていたのですが、(【0188】)この日も、その思いは同じでした。
ですが今回は、松村様から、「素材としては充分なので、あとはマネジメント」というご見解をいただきました。観光学の先生で、また一方で新世界や釜ヶ崎の活性化に取り組まれているというお立場からのご意見ですし、心に残った言葉でした。マネジメントは今後、沿線のキーワードになるかも知れません。いま新世界方面で起きている動きは確かにマネジメントなんだろうと思いますし、これに有効なリンクを貼っていくのは一つの方法なのかな、とも思ったりしています。

②プライド
堀田様からは戦後の堺の街の変化について、このようなご意見がありました。「行政はステータスを追ったが、その反面、市民はプライドを見失ったのではないか」。
思いっきり頷いてしまいました(^^;。私自身も以前に似たような事を書いた気もします。もちろん其々に時代背景もありますから、一概に過去を否定してはいけないのでしょうが、でも惜しいモノを無くした感は強いところです。
阪堺電車の沿線に、プライドの元は全く無いのかというと、そんな事はないと思うのは、私だけではないと考えます。むしろネタはいっぱい転がっていて、しかし長年放置され続けているというのが現状に近いのではないのかなと。それらに再び輝きを与えようと努力されている方々の一部が、これまで2回のフォーラムでご登壇いただいたパネラーさんなのではないかと思います。
街に多く残されているネタを、どうすれば市民のプライドに資する事ができるのか。この答は簡単には出ないだろうと思いますが、近場の題材に関し、全く価値を否定される方よりは、一定の関心や愛着を持ちつつも、人前で表立って、自身のプライドとして表現する事に照れやためらいを感じているような人が多いのが現状のようにも思いますので、これを形にできる環境を志すのは一つの案かも知れないな、と思います。ネイティブ間だけの認知度だと思っていたものが、意外と観光客を集めたりメディアで採り上げられたりして価値を再認識されるという例はよく聞きますし、阪堺線にはそのツールとして、あるいは存在自体にも、多くの可能性が残されているのではないかと思います。マネジメントにも根幹部分で関わってくる気がします。

③ポジティブ
ある程度公共性を有するものは、一定の割合で批判が出てくるもののようです。乗り物とか役所の対応などは、その意味で話題になりやすい題材なのかとも思いますし、阪堺電車もその例に漏れないようです。
「○○なので阪堺線は使いにくい」「阪堺線は○○を改善すべし」。このタイプの声は従来からよく聞かれていましたし、フォーラムの質疑でも若干出ていました。実際に阪堺電車には改善が望まれる事項が従来いくつもあり、またそうだったから現状に至っているという面もありますから、心情は判らなくもないのですが、最近は状況に大きな変化が起きています。
以前でしたら、改善して欲しい点を感じても意見を集約できる場が無く、また会社側でも投資が困難な環境があって、長年かわらない状況を前に、一種ウサ晴らしみたいに問題点を列挙しておしまい・・だったものが、ここ数年、実際に前向きな変化として表れてきているケースが増えています。従来からよく指摘されていた点をいくつか挙げてみますと。

「阪堺線は南海より定期代が高い」
 →2008年から改善試行 2010年に強化
「阪堺線は天王寺に直通すべし」
 →2009年から実施
「阪堺線は古い電車をPRに使え」
 →2010年から積極展開中
「阪堺線は通天閣とコラボせよ」
 →2010年から大規模展開中
「阪堺線は堺に入ると運賃が高い」
 →2011年から均一運賃
「阪堺線は線路が悪いので揺れる」
 →ただいま大道筋で改善工事中

他にも一杯ありますので、ご興味を持たれた方は当ブログのバックナンバーも見ていただきたいのですが(^^;、とにかく積年の懸案であった幾つかの事項が、大きく改善されてきているのが近年の大きな特徴です。もちろん、意見を言えば全てが思うとおりに変わるという種類の話ではありませんが、否定のためのアラ探しをしていれば良かった時代は終わった感がありますので、今後は意見を出す側でも、それに則したスタンスでの発言が求められてくるのではないかな、という気がしています。具体的には「○○したら阪堺線は使いやすくなる」「○○の改善で阪堺線沿線が前向きに変化する」といった方向でしょうか。ここではまた要望する案件に関する最新の対応状況についても、一応の確認をしておく必要があろうか、とも思います。

一方、なかなか改善が果たされない問題も少なからずあります。代表例を3件ほど。

「阪堺線は大道筋の信号が多すぎる」
「阪堺線には車椅子で乗れない」

フォーラム当日のご意見にもありましたが、この2点は未だ解消されていません。他の問題が矢継ぎ早にクリアされてきた中、これらはいよいよ大事なものとなってきました。事業者だけでは対応できない部分が大きいですので、今後の進展に強く期待したいところです。

「阪堺線では堺市内に目的地がない」

これは結局、堺のアイデンティティをどないするのかな、という話になってくる気がします。それこそステータスは充分な街だと思いますので、市民のプライドの磨き出しに目を向けた施策を期待したいところです。

④アピール
住吉大社様のお話のなかに「住吉大社もPRに努めなければいけない時代」とのお言葉がありました。確かに、そういう時代なのだと思います。黙々と励んでいれば、見る人は見てくれるという感覚は私も好きですし、それが通用する世の中の方が、たぶん望ましいのではないかとも思いますが、現状は積極的なアピールを行った方が、日々の暮らしでも好首尾を得られやすい世情のようです。
努力の分野でのアピールというのは、直接的な広告とは少し意味合いも違ってきますし、市役所や鉄道会社にとっては、どちらかと言えば苦手な分野だったのではないかな、というのがこれまでの印象ですが、ある程度は訴求をしないと、何もしていないのと同じ評価しかしてもらえないケースも起きかねない世の中みたいです。今まででも、従来には無かったボリュームでの対応が行われているのを私は承知していますが、世の反応を見る限り、まだ行き渡っていない面もあるようです。折角いろいろな施策を行っているのですから、ここは衒いなく、大いにPRを進めていただきたいものです。アピールをやりすぎて困るという事は無いだろうと思いますし、施策を知らずに批判などをしてしまって損をされる人を保護するという点でも、意義がある事と考えます。
沿線の事業者の方、また様々な活動をされている市民の方々も、同様にアピールを意識していって良いのではないかと思います。阪堺電車の周辺での様々な動きは、少しずつベクトルが揃ってきているのではないかと感じています。一つ一つの小さな力を揃えていけば、全体としては大きなものになっていきますし、そこから各々の活動にフィードバックされるものも、また大きくなってくるのではないかと考えます。住吉さんがPRを意識される時代、また新世界が大復興を遂げている時代という事も念頭におきながら、ポジティブな思いでのアピールを期待します。それを受け止める側もまたポジティブでありたいと思います。

今回のフォーラムでは、前回に提示された視点を補強し、また実際に起きている動きの確認もできたのではないかと思います。阪堺電車の周辺では、何らかの新たな流れが生じている事は多くの方がお感じになっているものと思います。私達も前向きな気持ちで流れに乗り、また流れを大きくしていきたいとの意を強くしています。

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