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2010/08/31

【0193】活性化フォーラム:感想(1)

聴講しての感想などを私見でいくつか記させていただきます。

まず水内先生の基調講演。テーマは「都市の空間構造の変化から市内交通を読み解く」。


水内先生は人文地理学の立場から都市の変遷、変化を研究される一方、徹底したフィールドワークによって現代の都市が持つ諸問題についても取り組んでおられ、特に関西のホームレス支援については第一人者という存在です。路面電車に関しては、育たれた街で身近に感じておられたと伺いましたが、いたずらに礼賛される事無く、町の変容にともなう電車の盛衰について、冷静に把握されているという印象を受けました。

阪堺電車に関して、本来はクオリティの高い地域を貫いていたという事実を検証されました。これは全く同感です。
街の変容と電車の可能性については、大阪、堺の双方について、それぞれに指摘されたお話が印象的でした。

天下茶屋と帝塚山

地域の構成要素を区分した図において、この2つの街で明確な色分けが出来ている事を示された上で、この「天下茶屋」と「帝塚山」というスポットは、メディアによって表現されるところの大阪のイメージの代表的存在であると指摘され、その両方の街に阪堺電車が存在する意義、可能性についてお話がありました。
私も生れた街なので、天下茶屋の空気はよく知っていますし、そこから見た帝塚山のイメージも自分なりに持っているつもりでしたが、もっと俯瞰した視点からの印象については一寸盲点だった気もします。大阪にも有名なスポットは数多くありますが、全国的に均質化、リトル東京化が進行する中、天下茶屋と帝塚山には確かに粘り強いものがあるだろうと感じたものです(^^;。

堺-都市プライドと大道筋

まず博多の街との相似性についてのお話を興味深く感じました。博多の場合は福岡という街が隣接していた訳で、大坂と堺との比較をした場合(本来の距離感に差はありますが)、関連する面もあるのではないか、ツインシティという考え方も有りなのかな、という気もします。博多、堺ともに城下町ではなく、殿様が不在(だから自由都市)であったというのも改めて指摘されると面白いなぁと思ったものです。天守閣の代わりとなる街の顔が、お堀と街路と、そしてアーバンリゾートだったのかなと思いました。大浜リゾートのように、もう今ではどうしようもないものもありますが、まだ土居川・内川はなんとかなる気がしますし、空間構成に関して堺の都市プライドを具現化したものが大道筋であり、そこを走っているのが阪堺線だという見解には頷けるものがありました。「自由都市」という表現は度々見聞していますが、私自身は堺に育って、それをほとんど実感できる雰囲気はなかったのですが(コレ私だけでしょうか(^^;)、読図によって明示していただけると、少し理解できた気もします。ただ先生からは、往時の堺に関して、自由都市という形容が正確なものであったのかな、というご意見も示されました。確かに、もっと高度な印象を受ける言葉でも良いような気がします。近年は特に、自由という言葉に、≒勝手みたいなイメージが伴っている事もあるのかも知れませんが(^^;。

堺の課題わけ

堺に関しては、更に突っ込んだ話題が提供されました。街ごとに課題を分けて考える必要があるという事です。具体的にはニュータウン課題、スプロール課題、歴史的コア地域の課題で、一部にインナーシティ課題も含まれるという事でした。
これは正に仰る通りだと思います。これらの区分けを行えずにいた都市は(堺に限らず)、どこも今、大変苦労しているというのが現状ではないかと感じます。交通政策は、正にその典型でしょう。今度の市議会では、阪堺線支援策(案)に関して、いろんな意見が出されるものと予想されていますが、街の性格に応じた課題を見失ったままで、賛成だ反対だという言葉だけが飛び交う事の無い様、しっかりとした議論がなされる事を祈りたいものですし、市民の方々には、しっかりと動向を注視していただきたいものだと思います。

ちなみにご講演では、歴史的コア地域においては、アクセシビリティ、バリアフリー、モビリティをあらゆる階層に提供できる切り札として、ライトレールと連携するバスのネットワークは鍵を握るとのお話がありました。
街の復興ツールとしての可能性を、阪堺線は充分に有していると私は解釈しましたが、いずれにしても最後は、人々の意識に帰着するのかな、と思います。復興させたいと思うのかどうか、復興が必要だと現状を認識するのかどうか。この沿線が「歴史的コア地域」であると意識されるものかどうかにも、今後注目してみたい気がします。

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コメント

阪堺電車活性化フォーラムに参加させていただきました。

先ずは、よく、これだけ多彩な方々を集められ、前向きな論議ができたものだと感心しました。K生さまや代表の福井様のご尽力には敬服するばかりです。

基調講演と特別講演は大阪と堺が一体的となり阪堺線を活かしながらまちを活性化させていかなくてなならないことをご教示していただきました。

また、そのあとの参加者討議も、障がいをお持ちの方や、長年、公害問題に取り組んでこられた弁護士、堺の中心市街地の衰退に警鐘を鳴らす経営者、昔は住吉と堺が一体であったことをお話しされた住吉の権宮司、などのお話も極めて有意義なものでした。

 フォーラム宣言では、この連携活動は今後とも継続するようです。今後のご活躍をお祈りいたします。(感謝・感激)

投稿: フォーラム参加者 | 2010/09/01 20:23

おせわ様でした。
水内先生のお話、よかったです。知識にも感心しましたし、現場の空気を知っている人の強さが感じられました。
堺にいると、ぎすぎすした話が多くてつかれる事もあります。いいお話を聞かせていただきました。
山田様のお話もよかったですね。管理人さんのご感想を楽しみにしています。
時間はいくらあっても足りなかったですが、またじっくりと続編を開催してください。ありがとうございました。

投稿: きょーすけ | 2010/09/01 21:54

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