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2010/05/02

【0073】公共交通の固定費に関して私見

あくまでも私見ですが
先般、かなりの衝撃を覚えるニュースに接しました。

いすみ鉄道様サイト
自社養成列車乗務員訓練生を募集
http://www.isumirail.co.jp/topics/100305.html

いすみ鉄道(千葉県夷隅郡)では、乗務員教習に関する費用(総訓練費約700万円)は自己負担してもらうという前提で、社員募集を行うという例が出てしまったという事です。
一部マスコミでは、面白おかしく紹介された面もあったようですが、とても笑って聞ける話ではありませんでした。事態はここまで来たのか、いよいよ公共交通の危機かなと暗澹たる気持ちになりました。ある程度に裕福で、その上で公共交通に理解のある人材でなければ、運転士のなり手がいない、そんな時代が来ていると実感せざるを得ません。

阪堺線に限らず公共交通存廃についての議論をしていると、事業者を変更すればいい、とか、従業員の給与を削減したらいい等という意見を簡単に開陳される方が散見されますが、本当にそれで問題が解決するのかどうか、大いに疑問を感じています。従業員の方にも生活はありますし、阪堺電車の場合では、この方々の生活圏は大都市近郊ですから、限度以上の人件費削減は「大阪で暮らすな」または「仕事を続けるな」という事につながってしまうのではないかと懸念します。

地方なら低い給与水準でいいのかというと、そんな訳ではありません。ローカル私鉄では折角運転士の資格を得た職員さんが、長く職を続けられない(退職、あるいは待遇のましな他社に転職)という事例が多発していると仄聞します。運転士として一人立ちするまでには、各種の教習を経た上で、先輩運転士のマンツーマン指導が必要となります。この時間単価だけでも相当な金額になる訳で、これが短期間でパーになれば、苦しい事業者にとっては大きな打撃となります。冒頭に紹介した、いすみ鉄道の例はその典型でしょう。

電車やバスの運転に携わるお仕事は、想像以上に過酷なものです。従業員の方々はみな、絶対安全の重責を背負いつつ、不規則なシフトを定年まで勤めておられます。決して物好きや趣味でできる仕事ではありません。みなさん生活を賭けて働いておられる、普通の社会人の方々です。普通の人が仕事を続けられる待遇、普通の人を擁している会社が事業を続けられる環境が、交通インフラに求められているのではないかと思うのですが、如何でしょうか。

この春も阪堺電車では、多くの新人運転士さんがデビューされています。横には見守る「お師匠さん」の姿があります。まずは無事に、そして長く、運転し続けていただきたいと願うばかりです。

Newm

2010年3月 帝塚山3丁目
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